病気のお話

hMPV感染症(ヒトメタニューモウイルス感染症)

鼻汁、咳、38.5℃~39.5℃の発熱が4~5日続きます。
咳のための睡眠障害、食欲低下、時には中耳炎併発などの臨床症状が出ます。咳が昼でも強く、高熱が続く場合は、胸部のレントゲン撮影で気管支肺炎の陰影が出ることが多いです。しかし症状が軽く、かぜ症状で終わる人も多いです。
原因は、hMPV(ヒトメタニューモウイルス)というウイルスです。2001年にオランダの乳幼児の呼吸器感染症より発見され、日本でも2003年に流行していることが北海道大学小児科および、当院鈴木小児科の患児で確認されました。
春から初夏によく流行します。1才以上の乳幼児がよく罹ります。

ノロウイルスによる胃腸炎

現在大流行している胃腸炎の症状は、頻回の嘔吐や吐き気、続いて下痢になります。
嘔吐だけの症状で終わりになる例も多いです。
原因はノロウイルスで、抗原の変異があるため外来で実施する迅速検査では陰性となり引っかかりません。
手当てとしては水分補給が必要となります。例えば年長児ではスポーツドリンク、乳幼児では症状に合わせて電解質が十分に整っているアクアソリタ(味の素)、OS-1(大塚)、アクアライトORS(和光堂)などが最適です。
嘔吐があっても数時間待つと峠を越しますから水分を少量ずつ、こまめに与える必要があります。オレンジジュースや牛乳はよくありません。
すりおろしりんごや紅茶にお砂糖を少し入れて飲ますのもよいです。
食事はおかゆ、梅干し、米菓子、氷砂糖などが好ましいです

マイコプラズマ感染症・肺炎

原因:マイコプラズマという病原体によっておこります。
症状:幼児や学童に多く見られます。昼間に咳が出ることが多く、熱も出ることが多いですが、時に微熱程度のこともあります。気管支炎としてペニシリン系やセファム系の抗菌薬を飲んでいても熱が下がらなかったり、咳がなかなか治まらない場合に、マイコプラズマ感染症のことがあります。
診断:迅速診断をすることができます。
胸のレントゲン写真や血液検査などで診断をつけることもあります。
治療:マイコプラズマに効く適切な薬を処方します。
多くの場合入院しなくても外来で治療することが出来ます。

ウイルス性発疹症

原因のエコーウイルスは1~34型のタイプがありますが、今夏はエコー18型ウイルスの流行があります。
症状は38℃~39℃台の発熱が1~2日通期ますが、そう長くは続きません。
発熱1日後ぐらいから腹部、背中、手、足と全身にブツブツした淡い赤色の発疹が出ます。発疹は3~4日で自然に消えます。痒みはありません。

夏かぜ

病因はコクサッキーウイルス、エコーウイルスです。これらをエンテロウイルスと言います。それぞれウイルスの型があり、コクサッキーA1~24、B1~6、エコー1~34と数も多いです。
夏から秋に最も多く流行しますが、冬季、夏季にもみられます。いろんなタイプのエンテロウイルスが入れ代わり立ち代わり流行します。
症状は39度前後の発熱、鼻汁、咳を伴い、咽頭痛を訴えることもあります。
また病気の終り頃に発疹が出ることがあります。病初期は白血球数が少し増加します。
食事は脂っこいものは避け、消化の良いものを与えましょう。
高熱時は水分補給には特に気を付けてください。

ヘルパンギーナ

夏季に流行する病気です。病因は腸管系ウイルスのコクサッキーA群、B群、エコーウイルスのいずれかによるもので、夏かぜの一種と考えてよいです。原因のウイルスはたくさんあることになります。
症状は発熱が2~3日続き、のどの奥に小さな水ぶくれができて咽頭痛を訴えることが多く、ものが食べられなくなります。ひどい時は水分も飲めなくなり脱水症状になることもあります。
その他、頭痛、嘔吐、下痢を伴うこともありますが、脳炎、髄膜炎、中耳炎などを併発しなければ比較的経過の良い病気です。

RSウイルス感染症

原因:RSウイルスです。
乳幼児に急性細気管支炎を起こす最も重要なウイルスです。
流行のピークは冬期ですが年間を通してみられます。
迅速診断で正確な診断が出来るようになっています。
症状:鼻水・咳・発熱・食欲不振などで、急性細気管支炎、肺炎、急性気管支炎を起こしており、一般に感冒という病名ですまされることも多いです。中耳炎を併発することもあり、疑わしい時は、当院で耳のチェックをします。発熱は3~4日続くことも多く、乳幼児は肺炎を起こしやすいです。
乳児は無熱性で、重症になることもあり、特に注意が必要です。活気、食欲がないときは要注意です。
乳児~幼児では毎年の再感染もあります。成人~高齢者まで感染はありますが、症状は軽いです。
治療:家庭では、水分の補給や食欲に気をつけましょう。鼻汁で鼻閉が起こる場合は、鼻汁を吸引すると楽になります。呼吸困難を起こしている場合は、入院治療の必要なこともあります。

ウイルス性嘔吐下痢症

毎年晩秋~初冬に流行します。早春~初夏にも流行がみられます。
ノロ、ロタ、アデノ、サポ、アストロ、カリシなどのウイルスが原因となっています。
症状としては嘔吐、引き続き下痢を伴うことが多いです。嘔吐または下痢だけのこともあります。症状の強い症例では半日~1日、頻回に嘔吐があり胃液に胆汁が混ざることもあります。
下痢便の色は、黄白色~灰白色となります。熱はほとんど出ないことが多いですが、時には1日くらい発熱します。少し頭痛を伴うこともあります。
手当てとしては、水分の補給が必要となります。例えば、年長児ではスポーツドリンク、乳幼児では電解質が病状に合わせて十分整っている、OS-1(大塚製薬)、アクアライト又はアクアライトORS(和光堂)、アクアケア(味の素)などが最適です。嘔吐があっても数時間待つと峠を越しますから、水分を少量ずつ、こまめに与える必要があります。
オレンジジュースや牛乳はよくありません。“すりおろしりんご”や、紅茶に砂糖を少し入れて飲ますのもよいです。
食事はおかゆ・米菓子・うどんなどが好ましいです。

インフルエンザ

冬の代表的な感冒がインフルエンザです。
症状は、発熱、頭痛、咳嗽、鼻汁、関節痛、筋肉痛などです。
熱は最初に高熱が1~2日間出て一旦解熱した後、再び高熱が1~2日出て治ります
(=二峰性発熱)。
インフルエンザの治療を行うと二度目の発熱は目立たなくなります。
インフルエンザは実質4つの型があります。A新型(H1N1pdm)、A香港(H3N2)、B(ビクトリア)、B(山形)で、今流行しているA型は香港型です。
A新型は肺炎を起こして重症となることがあります。子どもではインフルエンザ特有の脳症の発生もあります。解熱した後もウイルスはまだ存在するため、保育園・幼稚園・学校には5日間の出校停止となります。
また、病初期2日間は異常行動が起きやすいので、目を離さないようにしてください。熱性けいれん、異常行動、異常言動、脳症などがみられます。

アデノウイルス感染症

原因はアデノウイルスです。
タイプは約40種類あります。アデノウイルスの名前の由来は、のどのアデノイドからです。
症状は、急性扁桃炎・咽頭炎・アデノイド炎・結膜炎・下痢・発熱です。のどが痛くて、目が赤くなるものを咽頭結膜熱(=プール熱)といいます。扁桃に膿が付いて、高熱が5~7日も続くことがあります。
高熱が続くときは、「日にち」が薬と思って下さい。高熱が続くときは、解熱剤は積極的に使わず、1日3回ぐらいにするのは良いでしょう。スポーツドリンク(ポカリスウェットなど)のようなもので、水分補給を行ってください。

溶連菌感染症

溶連菌感染症とは、溶連菌という細菌がのどに感染しのどの痛み・熱・体や手足の発疹などが出ます。舌はイチゴのようになります。うつる病気です。

≪治 療≫
のどの検査で溶連菌がいることがはっきりしたら、抗生剤で治療します。
1日~2日で熱が下がりのどの痛みも消えます。
しかし、途中で薬をやめてしまうと再発します。きちんと飲まないとリウマチ熱や腎炎を起こすこともあるので、薬を指示通り最後まで飲むことが大切です。

ひどくなると・・・

  • 細かく赤い発疹が首、胸、わき、下腹部に出る
  • 発疹が全身に拡がる
  • 舌の表面がブツブツに赤く腫れ、イチゴの様になる

引き起こす恐れがある病気

  • 急性腎炎(慢性腎炎)
  • リウマチ熱(心臓弁膜症の原因)
  • 中耳炎
  • 肺炎

感染性胃腸炎

原因はほとんどがウイルスによるものです。下痢を起こすウイルスは非常に多くの種類があり、かつ、年中流行しています。症状は、腹痛,下痢,早い時期に嘔吐を伴うこともあります。
原因ウイルスとしては、ロタ、ノロ、アデノ、アストロ、サポなどが検出されています。
手当てとしては、水分の補給が必要となります。例えば、年長児ではスポーツドリンク、乳幼児では電解質が病状に合わせて十分整っている、味の素のアクアソリタなどが最適です。嘔吐があっても数時間待つと峠を越しますから、水分を小量ずつ、こまめに与える必要があります。オレンジジュースや牛乳などはよくありません。すりおろしりんごや紅茶にお砂糖を少し入れて飲ますのもよいです。食事は、おかゆ,梅干,米菓子,氷砂糖などが好ましいです。

手足口病

手足口病とは・・・
手のひら、足の裏、口の中に小さな水ぶくれができる病気です。
特に治療しなくても、発疹は自然になくなります。
また、のどの奥にぶつぶつができ、手・足に発疹がなく高熱が出る例はヘルパンギーナと診断されます。
手足口病の症状にヘルパンギーナの特徴をもった症例も多くみられます。

メディカル朝日(2016年3月号)に掲載された院長の記事です。