子宮頸がんワクチン接種の必要性

 子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸部に感染しておこる病気です。性交により感染します。感染しても自然に治っていく人もいますが、一部の人は感染が持続してガンに進みます。日本では1年間に約1万人が子宮頸がんにかかり、約3千人が死亡しています。かかった1万人の人は子宮を摘出されることがあり、妊よう性を失います。近年20代、30代の若い人たちから発生が増えています。

 現在ワクチンの副反応という事で国が積極的な接種勧奨を一時ストップしています。副反応についてはいろいろ研究されましたが、確実な因果関係は証明されていません。心因反応的要素が強いと考えられています。名古屋市の思春期の女子に対して大規模な調査をした結果、ワクチン接種群と非接種群では不定愁訴(体がだるい、やる気が出ない、不眠、頭痛などの症状)に有意な差がないことが分かりました。

 WHO(世界保健機構)は2015年12月に子宮頸がんワクチンに関する新たな安全声明を発表しました。

 日本を名指しで、「専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと副反応の因果関係はないとの結論を出したにも関わらず、国は接種を再開できないでいる」として指摘しています。世界の国々で子宮頸がんワクチンは12歳前後の女子に接種されていて標準化しているものです。若年者の子宮頸がん予防として、ワクチンと定期的検診が重要です。