小児科トピックス

おねしょで悩んでいませんか?

夜尿症とは?
5~6歳を過ぎても月に数回以上おねしょが続く場合を夜尿症と言います。
「おねしょはそのうち治るだろう」「恥ずかしい」「隠したい」と思う保護者が少なくないため放置されやすいのが現状です。
おねしょはありふれた子どもの症状で、性格やしつけとは関係ありません。大切なことは「あせらない」「おこらない」「くらべない」「起こさない」です。
適切な診断・治療を受けることで2~3倍治る率が高くなります。
まずは夜尿の程度に関わらず、気軽に相談して下さい。(夜尿に加えて昼間の尿漏れや便が漏れたりすることがあれば、まれに他の原因がある可能性もあるので早めの受診をお勧めします。)

原因は?
①夜間に膀胱の容量より尿がたくさん作られるのであふれる
②夜間に貯めれる膀胱容量が小さい(器が小さく尿を貯められない)
夜に眠っている間に作られる尿量と尿を貯める膀胱(器)の大きさとのバランスがうまく取れていないと起こります。

治療は?
◎生活改善:治療の基本は生活改善です
①規則正しい生活
②夕食以降の水分のとり方、塩分を控える
③便秘に気を付ける
④寝る前にトイレに行く、夜中起こさない
⑤温かくして寝る

◎薬物療法:夜に作られる尿を少なくします。
◎アラーム療法(自費):専用の尿パットにおねしょをするとセンサーが感知し、音や振動で本人に認知させ繰り返すことで膀胱が大きくなり、尿を貯めれるようになります。アラーム療法はすぐに効果があらわれにくいため、3か月くらいは継続してみましょう。そのためご家族や本人の「治したい」「治してあげたい」という強い気持ちが必要になります。当院でも夜尿が治った患者さんから喜びのメッセージが届いています。今でも5~6人の方が行っています。

アラーム療法当院使用者の声

 

夜尿が治るまでにかかる時間は個々の子どもさんで異なりますが、1日も早く卒業できるよう一緒に頑張っていきましょう。

子宮頸がんワクチン接種の必要性

子宮頸がんはHPV(ヒトパピローマウイルス)が子宮頸部に感染しておこる病気です。性交により感染します。感染しても自然に治っていく人もいますが、一部の人は感染が持続してガンに進みます。日本では1年間に約1万人が子宮頸がんにかかり、約3千人が死亡しています。かかった1万人の人は子宮を摘出されることがあり、妊よう性を失います。近年20代、30代の若い人たちから発生が増えています。
現在ワクチンの副反応という事で国が積極的な接種勧奨を一時ストップしています。副反応についてはいろいろ研究されましたが、確実な因果関係は証明されていません。心因反応的要素が強いと考えられています。名古屋市の思春期の女子に対して大規模な調査をした結果、ワクチン接種群と非接種群では不定愁訴(体がだるい、やる気が出ない、不眠、頭痛などの症状)に有意な差がないことが分かりました。WHO(世界保健機構)は2015年12月に子宮頸がんワクチンに関する新たな安全声明を発表しました。日本を名指しで、「専門家の副反応検討委員会は子宮頸がんワクチンと副反応の因果関係はないとの結論を出したにも関わらず、国は接種を再開できないでいる」として指摘しています。世界の国々で子宮頸がんワクチンは12歳前後の女子に接種されていて標準化しているものです。若年者の子宮頸がん予防として、ワクチンと定期的検診が重要です。

 

“ビタミンD”について

<ビタミンDとは…>
・生きていくうえで必須の栄養素のひとつです
・日光浴をすると、体内で生成されます
・日照時間が短い地域、完全母乳哺育では不足しがちな栄養素のひとつです
*母親になる世代で不足していることがわかってきて、乳幼児での調査でもビタミンDが
3~4割(関東、岡山での調査)の児で不足していたという結果が出ています。

<ビタミンDが不足すると…>
・ビタミン欠乏性くる病
・O脚、X脚や、けいれん症状など
・妊婦のビタミンD不足で、申請時の頭蓋骨が柔らかくなる→頭蓋瘻
・骨量の低下→骨がもろくなる

<ビタミンDを合成するには…>
・日光浴:つくば市では7月の12時であれば3分、12月であれば20分と言われています。

食品から摂取することも可能ですが、乳児期に摂取することは難しいことが多いため、
当院では栄養機能食品BabyD200(3ヶ月分 1800円)をすすめています。
まずはお気軽にご相談下さい。

 

子どもの「ダニ舌下免疫療法」、「スギ舌下免疫療法」の開始

ダニ・スギの舌下免疫療法は5歳頃からが適応となります.
まずはお気軽にご相談下さい。

スウェーデンと日本の育児環境の違い 「保育と保健」平成28年7月号より

小児科医であるから子どものことに関してはなんでも関心があるのは当然である。
最近気になったことを記してみる。
イクメンの話しから始めてみよう。夫婦に子が産まれて子育てが始まる。
日本の育児休暇の取得率は先進国の中では特に低く、北欧などに比べて雲泥の差があるとよく言われている。
私が北欧を小旅行したとき、ストックホルム在住の子育て中の夫婦に色々と福祉のことなどを聞く機会があった。奥さんは日本人で、私の開業している地域出身でよく知っている方であった。「日本では小児科医は少なく超多忙で、小児救急なども大変であるがスウェーデンではどうですか」と尋ねると、「忙しいのは保健師さんで、かかりつけの保健師およびグループがあり日常の子どもの疾患、発達についての気づき、夜間の救急などなんでも対応してもらえ、必要な時だけ小児科医に紹介してもらえる。忙しいのは保健師さんです。」とのことだった。育休の取得率が高いことについて尋ねると、母親が働きに出るまでは女性がとるが、保育園に預けて職場復帰する時に入園の待機期間だけ父親の登場となり育休をとるそうだ。つまり授乳の必要な時は主として母親が育休をとり、卒乳したころに父親が育休を取得するのが一般的である。統計上父親の育休率が高いように思われるが、授乳中はしっかり母親が関わっているのは日本と同様である。入園時期は春と秋にあり、6か月に1回チャンスがあることになる。1年に1回の日本とは大違いである。このころには子どもは母乳を卒乳できているころであろうし、父親でもなんとかこなせそうな時期に育休をとっていることになる。愛着形成という観点からみても理にかなっている。子どもは特異的に1:1の対応による愛着形成が常であるので、父親より母親のほうが向いている。母親は母乳を飲ますことからスキンシップにも条件がよく、父親はそれにとって代わることはできはするが、それは病気など母親に都合の悪いことが起こったときなどである。スウェーデンの市内電車はベビーカー対応の乗り降りや、車イス用空間が十分とってある。そのうえ車イスで乗車する親子は無料となっている。これだけ子どもに福祉が行き届く原因を考えてみた。大きな理由は議員達の女性の占める割合が高く、市会議員も国会議員も女性が多く50%前後である。女性の議員が多いことは子育て社会にきめ細かく目が届く政策が実現する。議会の開催は第1、第3月曜日の夜6時などと決まっており、誰でも議員になりやすく、かつ出席しやすくなっている。日本では保育園、幼稚園の保育料は有料であり、小学校へ行くと授業料は無料となる。ちなみにフランスでは幼稚園から大学まで授業料は全て無料である。GDP(国内総生産)に占める日本の子育て関連国家予算の割合はフランスの1/2以下らしい。いかに子育てに関する費用が少ないかが分かる。
最後に社会の子育ての環境が益々整うことを願う。

鈴木小児科医院 院長
鈴木 英太郎